2025年10月21日――国会での首相指名選挙。
高市早苗・自民党総裁が237票を獲得し、堂々と第104代総理大臣に指名された。
しかしその裏で、ネットをざわつかせた名前がある。
「吉良州司(きら・しゅうじ)」――無所属の衆院議員だ。
なんとこの日、吉良氏の名前が3票も投じられ、
X(旧Twitter)では瞬く間に「吉良州司」がトレンド入り。
「誰!?」「なぜ3票!?」「まさかのキラ様?」と、政治ニュースとしては異例のバズり方を見せた。
■ なぜ“無所属”の吉良氏に票が入ったのか
背景には、今月初めに結成された新会派「有志・改革の会」の存在がある。
これは、日本維新の会を離党した議員たちと無所属議員が合流してできた会派で、
政権与党でも主要野党でもない、いわば**「中道・保守の第三極」**のような立ち位置にある。
会派の代表を務めるのが、吉良州司氏。
首班指名に向けて会派内で候補者一本化を図ったものの、意見がまとまらず。
結果的に、会派の一部メンバーが吉良氏の名前を書いたと見られている。
つまり、この「3票」は偶然ではなく、
「俺たちは自民でも立憲でもない」という政治的メッセージだった可能性が高い。
■ SNSでの反応:「誰?」から「意外とすごい人じゃん」へ
ネットの第一声は、ほぼ全員が「え、誰?」だった。
無理もない。テレビの報道番組で頻繁に取り上げられるタイプではないからだ。
だが、少し調べた人はすぐに驚く。
「東大法学部卒、元日商岩井(現・双日)の商社マン」
「外務副大臣も経験」「7期当選のベテラン」――。
「めちゃくちゃちゃんとした人だった!」
「こんな人いたのか」「無所属でここまでやってるのすごい」
トレンドが“ネタ”から“再評価”に変わるまで、そう時間はかからなかった。
■ どんな政治家なのか:保守派のリアリスト
吉良州司は1958年、大分県玖珠町生まれ。67歳。
東大卒後に商社マンとして世界40か国を飛び回った。
その後、2003年に政界入り。民主党政権では外務政務官、外務副大臣も務めている。
政治スタンスは中道右派。
憲法改正や集団的自衛権には賛成、原発再稼働にも一定の理解を示す。
しかし一方で、「将来世代への人的投資」を掲げ、教育・子育て支援には情熱を燃やす。
つまり、“改革志向の現実派”。
保守だけど硬直的ではなく、理屈より実行を重んじるタイプだ。
■ 評判と人柄:地味だけど芯がある
地元・大分では「誠実」「仕事をする議員」として信頼を得ている。
商社時代に麻薬地帯を警護付きで歩いたり、南米で警察トラブルから逃げ切ったり――
そんな「フィクションみたいな経歴」も持つタフな男。
もちろん、順風満帆ではない。
2015年には週刊誌に女性トラブルを報じられたが、その後も議員活動を継続。
以後はスキャンダルよりも、地元密着型の政策実績で評価を取り戻した。
■ 今回の3票が持つ意味
3票――数字だけ見れば小さい。
だが、政治の世界では“存在感”の票だ。
吉良氏はどこの政党にも属さず、どの勢力にも完全には染まらない。
だからこそ、今回の票は「組織票」ではなく、「個人への信任票」。
つまり、
「派閥や党利に縛られない現実派への期待」
その象徴だったのかもしれない。
■ まとめ:静かに“再注目”される無所属のベテラン
今回のトレンド入りは、偶然のようでいて、時代の空気を映している。
有権者も政治家も、**「与党でも野党でもない、まっとうな現実主義者」**を求めているのではないだろうか。
吉良州司――地味だけど、確かな経験と信念を持つ政治家。
この3票は、もしかすると“新しい保守の形”への予兆だったのかもしれない。
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