2025年8月の蒸し暑い夜、北九州市門司区のとある飲食店。
この日は、会社の従業員が集まる恒例の飲み会が開かれていた。
上司と部下、同僚たちが和気あいあいと会話を交わし、乾杯の音が響く、まさに「仕事の疲れを忘れる楽しいひととき」のはずだった。
しかし、その“平穏な夜”は、ある一人の元上司の行動によって一瞬で悪夢に変わってしまう。
被害者となった20代の女性社員にとって、その数分間は一生消えない屈辱の時間となった。
■「触らせろ」と言い、服の中に手を――
逮捕されたのは、56歳の松本光生容疑者。
元会社員で、事件当時は部下の女性と同じテーブルに座っていた。
夜7時半頃、和やかに盛り上がる飲み会の席で、松本容疑者は突然女性に抱きつき、手にキスをしたという。
そして、信じがたい言葉を口にした。「触らせろ」。
女性の同意はもちろんなく、松本容疑者は服の中に手を入れ、胸を触るなどの行為に及んだとされる。
この行為の瞬間、周囲の空気は一変した。
笑い声や乾杯の音は途絶え、被害者の胸の内には恐怖と屈辱しか残らなかった。
ほんの数分の出来事が、被害者の心に深い影を落としたのだ。
■酒のせい? 覚えていない? でも言い訳にはならない
取り調べで松本容疑者はこう話している。
「酒に酔っていて自分が何をしたのかよく覚えていませんが、わいせつなことをしたのは間違いないと思います。」
“酔っていたから”“覚えていないから”――そんな言葉で罪が軽くなることは決してない。
被害者にとって、数分間に受けた恐怖と屈辱は消えず、後に続く日常にも影響を与える。
社会は、加害者の酔いよりも被害者の心の痛みを優先して考えるべきだ。
今回の事件はそのことを象徴している。
■勇気ある告白が事件を動かした
事件が公になったきっかけは、被害女性の警察への相談だった。
「会社の飲み会でわいせつなことをされた」――その一言が、長く沈黙していた事実を表に引き出した。
警察はすぐに動いた。
被害者と同席していた同僚たちへの聞き取りを丁寧に行い、飲み会当日の状況を詳細に調査した結果、松本容疑者の関与が浮き彫りになり、最終的に10月7日、不同意わいせつの疑いで逮捕に至った。
■松本光生容疑者 プロフィール(報道ベース)
- 氏名:松本 光生(まつもと みつお)
- 年齢:56歳
- 職業:無職(元会社員)
- 居住地:北九州市門司区東本町(町名まで公表。番地や詳細は非公開)
- 容疑内容:不同意わいせつ(会社の飲み会で部下の女性に対するわいせつ行為)
- 家族構成:報道では一切公開されていません。プライバシー保護のため非公開
- 勤務先(事件当時):元会社員(詳細非公開)
- SNSアカウント:報道では確認されていません
- 供述:「酒に酔っていて覚えていないが、わいせつなことをしたのは間違いない」
松本容疑者の背景は、年齢や職業、居住区など限られた情報しか公表されていない。
それでも、事件が起きた背景には、会社の上下関係や飲み会という密室空間が影響していた可能性がある。
■事件の舞台が意味するもの
職場の飲み会は、本来、同僚との距離を縮め、日常の疲れを癒す場だ。
しかし立場の強い上司の行為によって、女性にとって拒否しづらい状況が生まれた。
「飲み会だから」「昔はよくあること」では、被害者の恐怖や屈辱は決して消えない。
日常の中で、ほんの数分の出来事が誰かの人生に大きな影を落とすことがある。
今回の事件は、会社や社会にそのことを強く問いかけている。
■事件のまとめ
- 事件発生:2025年8月8日 夜7時半〜8時頃
- 場所:北九州市門司区内の飲食店(会社の飲み会会場)
- 容疑者:松本光生(56)/元会社員・無職
- 容疑内容:部下の20代女性に対する不同意わいせつ
- 事件発覚:被害者の警察相談 → 同席者への聞き取り → 逮捕
- 供述:「酔っていて覚えていないが、わいせつなことをしたのは間違いない」
会社の飲み会という“日常の光景”が、一瞬にして悪夢へと変わった夜。
被害者の勇気ある告白がなければ、この事件は表に出なかったかもしれない。
誰もが安心して働き、過ごせる職場環境とは何か――この事件は社会全体に、強く問いを投げかけている。
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